ある小学校の裏庭に、ビオトープを設計・施工しました。ビオトープとは、多種の生物たちがお互いにつながりをもって生きられる場所のことです。水辺や水田、小川などを再現し、その地域に住む様々な生き物の、地域固有の生態系を構築します。再現したのは、昔はどこにでも見られた里山の風景です。
自然に飛んでくる種がこのビオトープに根付き、ある時ここを住みかにする生き物もでてきます。季節ごとの草花には、発見のたのしさや美しさの感動があります。互いにつながりを持つ生物の観察は、子供たちに驚きと発見を与えてくれることでしょう。
ビオトープは近くにいながら、四季を通じての生物の生態を観察し、触れることができます。
学校教育の一環として、そして何より子どもたちに自然の大切さと偉大さを肌で感じてもらいたいと思います。
ため池を再現したビオトープでは、池に生息する動植物の観察ができます。
飼っている動物や育てている植物と違って、ビオトープの中では餌やりや手入れをしなくても動植物は育っていきます。中には自然と消えていく動植物もいます。
自然が少なくなり、子どもたちも自然とのふれあいが少なくなりました。
都会に住む子供たちには、小川にかかる小さな橋を渡ることも、その上から水の中を覗き込むことも、初めての経験になるのかもしれません。