工事仕様:筧
工事住所:名古屋市名東区
日々の疲れを癒してくれるお風呂。そのお風呂から、素敵な景色が見えたら最高ですよね。お客様からお風呂から見える庭を作りたいとのご要望があり、提案させていただいた坪庭をご紹介します。
坪庭とは、採光や通風、鑑賞や癒しを目的とした小規模な和風の庭です。間口が狭く奥行が深い京町家において、通風と採光を確保するための空間が、徐々に趣向を凝らした坪庭へと変化していきました。
坪庭は、周囲を塀や垣などで囲い、植栽や添景物などを配置したものが一般的です。狭い空間に水をとりいれられ、あるだけで和の雰囲気を演出してくれる蹲(つくばい)は、小さな坪庭にもぴったりです。
こちらの坪庭に設置した蹲(つくばい)は、もともとあった穴の開いた不成型な石を利用しています。この石が坪庭の主役となり、面白味のある坪庭となりました。
筧(かけい)には、明茶色の竹を使用しています。華奢な筧が、不成型の石の無骨さと対比し、味のある空間になっています。石が荒々しい山のように見え、石に空いた穴は滝壺のようにも見えます。小さいながらも様々な風景を感じさせてくれます。
通風や採光を確保しながら、癒しの空間となる坪庭。お風呂から見える坪庭は、実用的でありながら、様々な美を生み出す空間となってくれることでしょう。
工事仕様:水蛍灯篭、水鉢
工事住所:名古屋市名東区
蹲の横に設置した石灯篭が、印象的な坪庭です。
灯籠とは、元来神前や仏前に灯火を献ずるためのものです。石灯籠が、照明と添景のため茶庭に取り入れられられるようになった後、庭園の添景物として用いられるようになりました。
「実」から「実」と「美」へ、そして「美」のみに役割が変化してきたのです。
石灯籠の標準的な形は標準型は、上部から、玉ねぎ状の宝珠(ほうじゅ)、火袋の屋根になる笠(かさ)、灯火が入る火袋(ひぶくろ)、火袋を支える中台(ちゆう だい)、それらを支える柱の竿(さお)、最下部で足となる基礎で構成されます。また、石材は、御影石が最も多く使われています。
石灯篭には様々な種類がありますが、写真の石灯篭は水蛍灯篭(みずほたるとうろう)と呼ばれるものです。基礎はなく竿は円柱形で、中台より上は方形です。火袋は前後に四角の火口と両側に小さい三角形の穴を二つ重ねた形が特徴です。
水辺に設置されることが多く、火を灯すと水面に映った灯火がゆれてきらめく様子が蛍のように見えることから、この名が付けられました。
蹲とともに置かれた石灯篭が、坪庭に趣を与えています。経年変化により苔がつくと、より趣深くなり味わいが増す坪庭です。
工事仕様:坪庭工事、手水鉢、筧、灯篭
工事住所:みよし市
植栽、灯篭、手水鉢、筧など最小限のものを配置するだけにも関わらず、小さな空間に小宇宙を作り出す坪庭。坪庭には、建物に風を通し光を採るという機能的な役割もあります。 この坪庭は、苔の緑がしっとりと…